小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

山本美奈子さんのプロジェクト

展示目録順にひと作品ずつ紹介します。

f:id:sakamotozenzo:20170922221605j:image

作者名:山本 美奈子(小国町地域おこし協力隊)
プロジェクト名:「連帯(二重線で消す)鰹節」(連帯あらため鰹節   と読む
坂本善三作品名:「連帯」 油彩・キャンバス 1967年 

【学芸員より一言】
山本さんのプロジェクトは、このたび小国び塾に参加するために始めたものではなく、日常生活の中で何年も続けている文字通りの「プロジェクト」です。それは、鰹節を普及すること。
ある時、本物の鰹節(本枯れ節という)で取った出汁のあまりのおいしさに衝撃を受け、食の大切さに開眼したそうです。それ以来小さな鰹節削り器と鰹節を常に持ち歩き、ことあるごとに披露して「削ラー」仲間を増やしています。
彼女が「実は鰹節持ってるんです」と言っておもむろに削り器を取出し、ガシガシと削り始めるのはまさにパフォーマンスであり、日常の中である時突然出会う非日常の出来事です。特別な道具立てはなくても、価値観が一転するようなことは起きるということを、この鰹節のプロジェクトは体験させてくれます。
そんな彼女が選んだ作品は、「連帯」。善三先生は「連帯」に社会とのつながりをイメージしていたと言います。山本さんが社会とつながるツールは「鰹節」。彼女の話を聞いていると、この絵が大きな鰹節みたいな気になってきます。

f:id:sakamotozenzo:20170924162502j:image