小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

北里香代さんのプロジェクト

展示目録順にひと作品ずつ紹介します。

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作者名:北里 香代(お弁当屋さん)
プロジェクト名:「卵焼き人生」
坂本善三作品名:「白い空間」 油彩・キャンバス 1980年 


【学芸員より一言】
みんな一度は食べたことがある卵焼き。「卵焼き人生」は、毎日卵焼きを作りながら、人々の卵焼きへの思いやエピソードを集めるプロジェクトです。
北里香代さんは、卵焼きが大好きで、仕事でも毎日卵焼きを作っています。多い時には日に10本も20本も焼くそうです。そんなある日、知り合いの子どもが「うちの卵焼きは甘くない」と話すのを聞き、その小さな一言から各家庭の食卓の様子や暮らしが垣間見える気がしたと言います。その経験がこのプロジェクトへとつながりました。期間中ずっと卵焼きエピソードを集めています。皆さんの思い出もぜひ聞かせてください。
ところで坂本善三は、一枚の葉っぱから無尽蔵に新しい絵を描くことができると語ったそうです。一枚描くごとに心を無にし、常に新しい気持ちで次の一枚へと挑むのです。それはもしかしたら、ちょっとした気温や体調の変化で卵の焼け具合が変わってくる中で、次こそは最高の一本でありたいとベストを尽くす香代さんの姿とも繋がっているのではないでしょうか。

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