ハルノシュさんのプロジェクト
展示順にひと作品ずつ紹介します。
作者名:ハルノシュ(お創造屋さん)
プロジェクト名:「おばけ計画」
坂本善三作品名:「炎」 油彩・キャンバス 1974年 ほか
【学芸員より一言】
完成した作品もきっと動きたがっているに違いない。
そんな仮定から生まれたプロジェクト「おばけ計画」。完成した動かぬ作品をおばけという形にして生まれ変わらせようというものです。
ハルノシュさんは、善三作品をおばけ化するにあたり、子どもたちをはじめとするいろいろな人と作品を前にして話をしました。その中でふと発せられた一言をすくい取って形にしたのがこれらの作品です。
彼らのごく素直な感想は、作品を前にしてその人の心に浮かんだ最初の解釈です。それをさらにハルノシュさんが咀嚼して目に見える形にしました。
確かに子どもは、大人では考えつかないような自由な発想をします。でも本当は大人が考えつかないのではなくて、考えるのをやめていたり、取るに足らないことと自ら一蹴したりしているのではないでしょうか。
おばけ計画は、本当は誰しも心に何かしら浮かんでいるはずの小さな解釈を、それでいいのだと肯定してくれます。作品は私たちに対して常に開かれ続け、動き続けていくものだということを伝えているのではないでしょうか。