小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

『青い御幣』ハルノシュ

 善三さんの『形』(1976)は、御幣がモチーフだ。しかも青い御幣。御幣は神をお招きするたものもの。紙で神を呼ぶ。“かみ”つながりだ。

 青い御幣なんて見たことがないから,実際に作ってみることにした。

 善三さんの作品『形』(1976)にでてくる御幣のイメージには透明感がある。なので,使用する紙は青い透過紙。最初にできたのは,少し小さめになってしまった。

 そこで、もう一つ大きめのものを作ってみた。f:id:sakamotozenzo:20171008084314j:plain

 文献によると、御幣には赤や青など色のついたものもあると書いてあるが、いったいどこで、善三さんは青い御幣を見たのだろうか。しかも、絵の中は御幣だらけ。暗闇の中で御幣が上空で雲のように犇めき合っている。

 もしかしたら、善三さんの心の風景かもしれないが、彼は何か目に見えない大きな存在を強く招き入れようとしていたのだろうか?

 一瞬、神をお招きする御幣に目をつけてみようかと考えた。でもさすがに、実物の御幣に自ら何か造形を施すのは、やめた方がいいなと思った。そこは立ち入ってはいけない領域かもしれない。

 展示では、「青稲くん」と一緒に青い御幣を展示しようと思う。青い御幣に透明感を意識できるようにしたいけれど、どのように展示するか悩み中である。

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