小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

山下通さんのプロジェクト

展示順にひと作品ずつ紹介します。 

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作者名:山下 通(哲学研究者)

プロジェクト名:「坂本善三を読む」

坂本善三作品名:「構成」 油彩・キャンバス 1974年 ほか

 

【学芸員より一言】

坂本善三は、新聞や雑誌などに折に触れて文章を寄せています。絵の話だけでなく、自分の生い立ちのこと、好きな食べ物、熊本のことなど題材は様々です。それらの文章は私たちにとって、善三先生がどういうことを考えていたのかを知るための一つの道しるべになっています。

山下通さんのプロジェクトは、坂本善三の言葉や、坂本善三について語られた言葉を拾い集め、それらを解釈するものです。そして、その解釈は絵の中からも見出すことができるのかどうか考えたいと言います。

語られた言葉と、描かれた絵。きっと、絵に描き得ないことが言葉で語られ、言葉で語り得ないことが絵に描かれているのでしょう。

でも本当は、私たちの心の中ではどちらも渾然一体となって広がっているはず。

言葉を読んで私たちの心に広がる世界と、絵を見て私たちの心に広がる世界が、互いに交差する世界を見たい。そんな希望を込めたプロジェクトです。

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