小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

中田遊さんのプロジェクト

展示順にひと作品ずつ紹介します。

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作者名:中田 遊(コミュニケーター)

プロジェクト名:「坂本善三へのてがみ」

坂本善三作品名:「光」 リトグラフィ・紙 1980年 ほか 

 

 

【学芸員より一言】

小国び塾への参加をきっかけに、初めて坂本善三の作品をじっくり見た中田さんは、坂本善三からの手紙をもらったような気持ちになったと言います。善三先生へ返事の手紙を書きたい。それがこのプロジェクト「坂本善三へのてがみ」です。展示された4点は、中田さんが特に心惹かれた作品です。

まずは自分の友人たちにこの4点を紹介する手紙を送り、「善三先生への手紙を書いてくれないか」と依頼したのがプロジェクトの始まりでした。

しかし、思うように友人たちからの手紙は届きません。

そんな中、中田さんはハタと気づきました。手紙とは公開を前提に頼まれて書くものではなく、もっと個人的に内省的に書かれるものではないだろうか。

そこで、善三先生に手紙を書きたいと思った最初の気持ちに立ち戻り、自分の思いをハガキにしたためて美術館に送ることにしました。

毎日の暮らしは淡々と過ぎていくものかもしれません。しかしそこに「手紙を書く」というプロジェクトがあることによって、些細な出来事も心を留めるべきものへと変化することでしょう。善三先生と語り合う毎日が、中田さんの暮らしや気持ちをどう変えていくのか、会期中進行し続けるプロジェクトです。

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