小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

『善三おばけ2』ハルノシュ

『おばけ計画』は多くの方に支えられてきた。

藤浩志さん,学芸員の方,スタッフの方,他のび塾の方々・・・

だが,圧倒的に大きな力となったのは,坂本善三さんである。

何はともあれ,善三さんの作品を介して,様々な方の作品の解釈を“お化け”の形にしてきたのだ。

言うなれば,善三さんがもう一つの善三さんを生み出していたようなもの。

善三さんにお会いしたことはないが,生前の彼のお人柄がここまで色々な方を動かしているのは間違いのないことだ。

なので,展覧会終了にあたり,善三さんが善三さんを生み出しているところを

ぜひ,表現してみたいと考えた。

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そこで,まず,善三さんの被り物をつくって持参した。

そして,次に,それを被り,その被り物と同じ形のミニチュアを増産するのだ。

当初は,展示室ではない,テレビがある畳の間で制作するつもりだった。

しかし,おススメは展示室です(暖かいので)とのことで制作場所を変更。

最終日の午前11時前ぐらいから開始した。

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被り物を大きく作り過ぎて,目の場所に自分の目の位置が合わない。

なので,とても見え難く,制作し辛くなってしまった。

途中,展示を鑑賞に来たお子様から「頑張ってください」と励まされる始末。

団体の鑑賞者の方から囲まれたりもしたようだが,

これを被っているときには,ほとんど周囲は見えなくて,

それに気づく余裕すらなかった・・・。

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出来上がりはこのように,

大きなものから小さなものまで。

動かす力は善三パワー〜。

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美術館の方の「頭の天冠は,ちょっと・・・」とご助言を頂いて,

おばけがよくつけている,三角形のものは付けないことにした。

善三さんは,私にとって生き続けているような気がするので,

素直に助言を受け入れることができた。

14時過ぎぐらいには完成した。

いつもとは異なる視界で制作でき,興味深い貴重な体験となった。