『善三おばけ 3』ハルノシュ
おばけを展示室で作り終えた後,
向かった先は,善三さんのパレット等が置いてあるコーナーだった。
善三おはけにはこの場所が一番ふさわしい,と感じたからだ。
善三さんの被り物を頭に付けて,
善三さんが座っていたであろう椅子に腰掛けた。
(破損の恐れがあるため,椅子にはあまり体重をかけなかった)
そして,ミニチュア善三おばけ達に取り囲まれる。
これらのミニ善三おばけを作る際には,一番大きな被り物→大→大中→中→中小→小といった順序があった。最後は,善三が善三を作りながら小さくなってしまうのである。
このおばけ計画も一段落つける時期だと感じたので,このような流れにした。
フェイドアウトするのだ。
でも,このように並べてみると,小さくなるどころか,むしろ,増殖し続けそうな気配すらある。
善三おばけは美術館の細部にも宿る,とこのとき感じた。
何と言っても,ここは坂本善三美術館なのだから。