小国び塾活動日誌

藤浩志プロデュースによる「小国び塾」参加メンバーが、坂本善三美術館の収蔵品から発想して取り組む「アートなプロジェクト」の記録です。

「形:1976ー青い稲妻」ハルノシュ

f:id:sakamotozenzo:20170926225417j:plain

「こんな解釈ありなんだ」展で坂本善三美術館の入り口にある「形」(1965)は貸し出しにより10月1日までの展示。10月2日よりその代替作品として,「形」(1976)が出さされる。

 善三さんといえば,40代半ばのフランス滞在からして,アンフォルメルの画家たちをはじめとする抽象指向への影響が少なからずあるだろう。しかし,善三さんの作品からお化けシリーズを制作するようになってから,「形」(1965)は,フランク・ステラが1958年〜1965年まで制作したブラック・シリーズ,「象」は,ジャクソン・ポロックの「緑、黒、黄褐色のコンポジション」(1951)を連想するようになった。気のせいとかもしれないが,私の心に浮かび上がってくる善三作品の残像は,ヨーロッパではなく,なぜかアメリカの抽象表現主義なのだ。

 今回,10月2日より展示される「形」(1976)のイメージの根源はおそらく,御幣。日本,もしくは東洋のモチーフが使われている。フランスやアメリカの雰囲気とはほど遠い。暗がりにたくさんの青い御幣が風に揺られていて,そのすき間を稲妻が走っている。そこには,勇ましい神の気配がする。

 この作品に描かれている御幣を眺めていると,それがお化けが吊り下がっている様子に見えてき始めた。稲妻らしき形までお化けに見える。私はお化け中毒にかかったのだろうか?

 こうなったら,お化けを作るしかない。f:id:sakamotozenzo:20170926225450j:plain

 お化け作品のタイトルは,「形:1976ー青い稲妻」。どこかで聞いたような題名になってしまった。

 展示替えまでに,もう3体,このシリーズのお化けを作りたいのだけれど,時間的にムリかもしれない。