不敵に笑う4人家族
てぇへんだぁ!てぇへんだぁ!
いやはや全く困ったことになったもんだ。
うっかりすっかり。もののはずみでこんなことになっちまった。
まいったまいった。
指が滑って坂本なんとか美術館に電話が繋がり、
忘れた頃に再び電話がかかって来て、
後ろに髪はないけれど、後ろ髪引かれて・・・
今考えりゃはじめっからなんだかおかしかったぞ。
チラシ兼応募用紙に「応募多数の場合は選考することがあります」と書いておきながら、
自由記述欄はちっぽけで、こんなスペースでは、少し豪快な文字を書こうものなら、
「どうぞよろしくお願いします。」ぐらいしか書けたもんじゃない。
しかも、ただでさえ小さな欄の中に、4人家族が住まっているじゃないか。
揃いも揃ってニヤニヤしながらこっちを見てやがる。
小さなスペースにどう文字を押し込もうか悪戦苦闘しているおれを嘲笑うかのようだ。
肩車なんかして、アットホームな家族よろしく、なんだか和やかな雰囲気を醸し出してやがる。
こっちは真剣なんだって。
何を間違ったかその選考に引っかかり、何度か通うことになった。
第一回の会合に参加するため山を登ってえっちらおっちら向かったが、
帰る頃には帰りの足はなく、1晩泊まって行ったら良いじゃないのぉってことで。。。
こんな怪しげなプロジェクトに参加する連中はきっと魑魅魍魎たちに違いないと、
最近国会で成立したばかりの共謀罪に引っかかりはしないかとビクビクしながら、
恐る恐る一回目の会合に足を運ぶと、やはり予想通り、一癖も二癖もありそうな面々が集まっているではないか。
ふと見るとそんな怪しげな大人に混じって一人、中学生が参加しているではないか?!
ジーザス!世も末だ。
彼はまだ純粋無垢なんだ。こんな怪しげな大人の群れの中にいてはいけない。早く帰るんだ!
と勝手にハラハラしていると、彼のプレゼンの番が回ってきた。よく聞いてみると、大人になってから久しく聞くことのなかった「う◯こ」を連呼している?!じゃないか。
おい君、正気か?
周りを見渡すと、みんなニヤニヤしながら、誰も突っ込んだりしないじゃないか?!しかも藤先生が一番楽しそうじゃないか?!
おい大人たち!この子は未だ中学生だ。この子がこの先どう育っていっても良いのか?。。。
その時ハッとした。そうだ。彼は自己紹介の時に言っていた。彼の名前はコウリンだ。琳派の系譜を継ぐ者だ。こんなことは序の口なんだ。
とまぁ冗談はさておき、(みなさん温かい気持ちで許してくださいね。)
個性豊かなメンバーがワイワイガヤガヤと怪しげで面白そうなことをしております。
坂本善三美術館が送るコレクションリーディングVol.2
全国で引っ張りだこの美術家 藤浩志さんの”小国び塾”に集まった、多彩な塾生たちが、
各自イチオシのプロジェクトに取り組み、その成果?足跡?をみなさまにご覧に入れます。
塾生のゆるっとしたアプローチをクッションにすることで、
硬質でとっつきにいというイメージもあるかもしれない坂本善三作品。
イメージが変わるかもしれません。
善三作品の新たな魅力を発見できるかも??
日頃は少し遠くてチャンスを逃しているなぁというみなさまも、
鍋ヶ滝を観にきて美術館の存在に気づいたそこのあなたも、
ぜひこの機会に足を伸ばしてみては~
芸術の秋。みなさま楽しみになさっていてくださいませ~
「藤浩志と小国び塾が作る善三展(仮)」
会期:9月16日(土)~11月26日(日)
文責:きだゆうすけ
※写真はチラシの自由記述欄の片隅に住まっていた4人家族たち。
この笑顔が挑発的だ。。。