「黄色い空間ー卵焼き」ハルノシュ
「こんな解釈,ありなんだ!」展では,“卵焼き人生”というプロジェクトが行われている。このプロジェクトに関連する坂本善三さんの作品は『白い空間』。でもこの作品は白くない。むしろ,グレーだ。作品の中に入り込めば,直にでも,白い雪が空からたくさん舞ってきそうな感じがしないでもない。だから,白い空間なのだろうか。
あるいは,善三さんの『白い空間』には,世の中の曖昧なグレーの部分を作品が全て吸い込み,残された世界を白く潔い状態にしてしまうような制作意図があるのだろうか。
卵焼きの断面には,“うず”がある。“うず”はきっと様々なものを飲み込んでしまう。この卵焼きの“うず”と善三さんの『白い空間』の印象には何かしらの共通点がある。それは,ことばにし難いけれど,何れも,人々が背負い続けて堆積してできた何かなのだろう。
現在,このプロジェクトに合わせて,『黄色い空間ー卵焼き」のおばけを制作中。イメージはあるのだが,思うように形にできずに苦労している。